玄関リニューアル工事-モルタル塗り
大禅ビル(福岡市 舞鶴 賃貸オフィス)の顔である玄関のリニューアルを今年行わせて頂きました。
当社の歴史の中では、ちょっとしたイベントでした。
工事の様子について、引き続きご紹介していきます。
さて、床の磁器タイルの剥離も終わったところで、モルタル塗りの工程に移ります。
ところで、そもそもモルタルとは何か?
簡単に言えばつなぎとしてタイルやレンガを固定する「接着剤」です。
モルタルはセメントに砂を加えて作ります。
砂を多めに混ぜるため、程よい柔らかさのペースト状となり、施工に使いやすい。
これを磁器タイルの剥がしが終わった裸の床や柱に塗っていきます。
ちなみに、モルタルとコンクリートの違いについて、ついでにお話しておきますと、
セメントに砂と砂利を加えたのがコンクリートで、
ビルを建てたりするときの構造材に用いられます。
いわゆる鉄筋コンクリートですね。
セメントに砂利が加わっただけで一気に強度がアップして頑丈さ倍増!
これがセメントのポテンシャルなのです。
さて、モルタル塗りでは、下地になるわけですから凸凹なく均一に塗っていく必要があります。
左官さんが慣れたコテさばきでさっと塗っていく様を見ると、いかにも簡単そうに思えますが、まあ簡単な作業なら左官は要りませんよね。
日本古来より伝わる、れっきとした伝統技法、匠の技なのです。
華やかなタイルや壁の下に隠れ、目立たない存在のモルタルですが、モルタルがなければ床も壁も成立しません。
コンクリート打ちっぱなしの建物をつくるのでなければ、モルタルも左官さんもなくてはならない、大切な縁の下の力持ちです。
更に、単に塗ればいいのかというと、そうでもありません。
気温や湿度によって乾くのが早かったり遅かったり、仕上がり方も微妙に違います。
その場の状況によって出来映えが左右されるので、状況に応じた臨機応変な対応力が求められます。
こればかりは経験がものを言う世界です。
玄関リニューアル工事一つとってみても、技術と、それを用いる人との関係を深く考えさせられる時間でした。