―少林寺―
喧騒に佇む聖地
大禅ビル(福岡市中央区舞鶴の賃貸オフィス)から一駅離れた天神に「親不孝通り」という通りがあります。
近くには何ヶ所か予備校があって、多くの予備校生が通っていたのでこの名前がつけられたそうで、
加えて居酒屋、レストラン、バー、カラオケ、ショーパブなどが密集している夜の繁華街であるのも、名前の由来のようです。
このようなキラキラした空間に、ややそぐわない清浄な場所がここ、少林寺です。
今は補修中ですが、とても目を引く構えが立派な浄土宗のお寺です。
親不孝通り沿いにこんなに立派なお寺があるとは知らなかったという人も多いかもしれませんね。
舞も足を運ぶまでは知りませんでしたし、しかも少林寺と聞いててっきり筋骨逞しいおにいさんたちが汗水を猛スピードで流す少林寺拳法の道場を想像しておりました・・・。
ここは、黒田藩初代藩主の黒田長政の奥さんが江戸で亡くなった後、長政がその遺髪を埋葬して菩提所として建てた寺だそうです。
黒田家ゆかりのお寺ということですね!
そして、もう一つ面白い伝承があります。
少林寺には本来であれば殿様になるはずだった黒田綱之の墓があって、
彼は福岡藩三代藩主・黒田光之の長男で、本来であれば四代目の藩主になるはずの人物でしたが、
突如父である黒田光之から廃嫡(家督相続の候補から外されること)されてしまい、剃髪のうえ謹慎を命じられたそうです。
綱之の酒癖が悪かったとかなんとか。
そして亡くなる際に
「自分の願いは叶えられなかったが、私の墓に真心を込めて祈るならば、願い事を叶えてやる」
と言い残したので、多くの人が綱之の墓に参詣して願い事をしました。
その際に人々は墓石を削り取って、舐めたり煎じたりしたため、現在の墓石の高さは元の高さの4分の1程度になっているといいます。
墓は非公開ですが、写真で見ると本当に墓石がちっちゃいです!
遊び場のただ中でも、こうした由緒ある場がポツッとあるのが福岡のいいところ。
遊びも大事ですが、自分の地元の歴史も同じように大事にして、学んで記憶してきたいですね!