大禅ビルレンガ調の外壁
大禅ビル(福岡市 中央区 賃貸オフィス)を見つけるのは、そう難しくありません。
地下鉄赤坂駅から那の津通りに向かって歩けば、洒落たマンションが建ち並ぶ中にあって、昭和の香りが立ち上りそうなレンガ調のビルがここ、大禅ビルです。
全体的に明るめのブラウン調でありながら、全て同じ色合いではなく、よく見ると部分によってはやや深い褐色だったり、
橙色に近い明るめの褐色だったりと変化に富み、更に一枚一枚のレンガタイルには褐色のドットがあしらわれています。
懐かしい色合いが醸すぬくもりは、ある種
「時代への追憶」
をかきたててくれますね。
建った当時は最先端に洒落たビルでした。
それから約半世紀が経った現在は「お洒落」から「レトロ」にイメチェンし、古さを個性に「レトロオフィスビル」としての新たな価値を発信させて頂いております。
ただ、今後どこかの改修のタイミングで外壁工事することになった場合、現況と同じようなレンガ調の仕上がりにならないのかもしれません。
と言いますのは、レンガ調の外壁は現実問題として重さがある分、落下の危険性が否めません。
特に、大禅ビルの場合、当初はなぜかタイルを二重張りで施工しており、通常よりも更に重さがあるのです。
今のところ落下危険性が高い箇所から徐々に改装していっていますが、ただ今後、外観のフル改装の可能性も視野に入れています。
工場から均一規格でそのまま出荷されたようなオフィスビルでは出しづらい、歴史と使用感の積み重ねで生まれる「レトロ」が大禅ビルの売り。
しかもブランディングの面からだけでなく、個人的にも幼い時から親しんできた大禅ビルなので、できるだけ残したいというのが正直な思いです。
安全性が十分に確保できる範囲内で、検討していければと思っています。