大禅ビルの空間プロデュース!庭木特集③
■観葉植物の役割
大禅ビル(福岡市 天神 賃し事務所)は貸しビルですが、本質的には「空間プロデュース業」だと思っています。
なぜなら、その空間に価値を認めてこそ、テナント様はお金を払われるわけなんですね。
空間プロデュースと言っても、多くの要素があります。
その一つが空間を彩る「観葉植物」。
植物の緑がちょんと置かれるだけで、空間の雰囲気に変化が生まれ、
ともすれば無機質で人工的な空間になりがちの部屋に変化が生まれて、人に馴染みやすくなったり、爽やかな落ち着きが生まれたり。
まさに観葉植物は空間そのものを豊かにするキーアイテムと言えるでしょう。
観葉植物にも色々あって、大禅ビルのように室内インテリアとして置かれるものもあれば、
庭木のように庭先に植えるものもあります。
2回にわたりおすすめの庭木を紹介して参りましたが、今回は庭木の基本的な手入れの方法についてご紹介します。
■庭木の剪定
庭木のお手入れの基本、それが剪定です。
枝を切り、樹形を整えるのが目的ですが、見た目をよくするだけでなく、風通しを良くし病害虫の予防にも効果があります。
また、適度に枝を切ることで木の生育を助けます。
剪定する時期ですが一般的に、木への負担を最低限に抑える意味で3つの時期があります。
① 3月下旬~4月上旬:新芽が出る前、寒さが落ち着いた時期
② 5月中旬~6月下旬:新芽が出揃った時期
③ 9月中旬~10月上旬:寒くなる前の時期
剪定は人間で言うと手術です。木に負担がかかる行為。
ですから寒い時期は避けた方が無難で、また新芽が伸びる時も赤ちゃんを産むようなものでエネルギーを使うので、剪定はあまり好ましくありません。
落葉か常緑など、種類や休眠時期によっても剪定の適期が異なります。
品種の特質を踏まえた剪定をしましょう。
さて、剪定と言っても、どこの枝をどう切るか?という話ですが、主な「要らない枝」は以下のようなものがあります。
① ひこばえ:根本や地中から生えてくる勢いのある枝。養分や水分を奪われます。
② 徒長枝:ほかの枝よりもぐっと勢い良く長く伸びる枝。樹形を乱し、花もあまりつけません。
③平行枝:長さ、太さがほぼ同じ2本以上の枝が、同じ方向に同じように伸びている枝。1本残して後は切ります。
④胴吹き枝:幹の途中から出る枝。樹勢を弱らせます。ただ出てほしいところに生えたきたのならば残しても大丈夫です。
⑤頂上枝:幹の上部で幹から逸れて上に向かって伸びる枝。そのままにしておくと幹が2本あるように見えて、樹形を乱します。
それから剪定です。
太い枝の時は、まず枝の下側に切り込みを入れて、次に枝の上側から切り込みを入れると自重で折れます。
最後に残った枝の根本を切ります。
枝を切る時は残し過ぎるに注意しましょう。
枯れたり、芽を出したりすることがあります。根本から切っていくのがベスト。
剪定の中には「切り戻し」というやり方があります。
それは目的の大きさに合わせる目的で、枝の長さを縮める剪定法です。
切りたい位置にハサミを入れて枝を短くします。
切り戻した後の切り口からは数本枝が出ますので、枝葉の数が増え茂っていきます。
あと、よくやる剪定の一つに「間引き」があります。
これは枝の中まで光が入ってくるように、枝葉の数を減らす剪定です。
■庭木の施肥
植物の生長に必要な3大栄養素は、窒素、リン酸、カリウム(NPK)です。
窒素は茎や葉、根の生長を助け、リン酸は花や実の形成に、カリウムは木を丈夫にする働きを持っています。
庭木の生長を見ながら、適切な時期期に適切な量を施肥しましょう。
肥料の種類ですが、大まかに有機質肥料と無機質肥料に分けられます。
有機質肥料とは動物や植物など自然素材のものを原料にしており、ゆっくり効きます。
無機質肥料とは化学的に合成された肥料で、すぐに根から吸収されるものや、ゆっくり効くものなど色んな種類があります。
また、ゆっくり効く有機質肥料と早く効く無機質肥料を混ぜた配合肥料というものもあります。
すぐに効き目が現れ、効果が長続きする特徴があります。
木の品種によっては施肥のやり方は色々ですが、ベースはゆっくり効く肥料を使い、花や実が咲いたり成ったりする時にピンポイントで早く効く肥料を施すことが多いです。
■代表的な肥料
鶏フン:鶏のフンを乾燥させた肥料。窒素とリン酸を多く含みます。効き方はゆっくり。花つきや品質を良くします。
骨粉:動物の骨を砕いた粉。リン酸を多く含みます。ゆっくり効き、開花や結実を促す働きをします。
油かす:大豆のしぼりかすなど。窒素を多く含み、ゆっくり効きます。枝葉を伸ばす働きがあります。
尿素:速効性の無機質肥料で窒素だけ含みます。液肥、葉への散布も可能。
硫安:窒素のみ含まれますが、こちらはゆっくり効くタイプ。
開花後にカリウムが含まれる肥料と一緒に使われることが多いです。
堆肥:落ち葉や牛フンなどを発酵・熟成させた肥料です。
菌を豊かに含み、ゆっくり効きます。
通気性の向上など、土壌改良する時に使うことが多い。
草木灰:草木を焼いて灰にした肥料。
カリウムを多く含みます。酸性土壌のpH調整や殺菌に役立ちます。
■施肥のやり方
施肥のやり方、要するに施肥の目的です。
苗木を植え付ける時に施す「元肥」、肥料分が不足した時に施す「追肥」の2つがあります。
庭木の追肥だと、一般的に1年間の生長に備えるために12~2月頃に施す寒肥(かんごえ)を施し、花や実をつけた後に栄養補給として施すお礼肥(れいごえ)があります。
寒肥には油かす、鶏フン、骨粉などの有機質肥料が適しています。
ゆっくり効きますので、新芽に活きます。
一方お礼肥には速効性の化成肥料を施すことが多いです。
花や実をつけた後、消耗した体力を素早く補給するのが目的です。
ただ与え過ぎると根を傷めてしまうので、注意しましょう。
■病虫害
植物を育てる以上、病虫害の問題はつきまとってきます。
まず基本として、普段から手入れを怠らなければ、病害虫を特に気にすることもありません。
手入れをしっかりすれば、庭木の変化にも早く気づき、早めに対処でき、農薬の量も抑えられます。
では植物にどんな病害があるのかと言いますと、特に庭木に多く見られる病気は
「うどんこ病」「こぶ病」「ごま色斑点病」「根こぶ病」「さび病」「すす病」「炭疽病」
などです。
病気は木の見た目に影響を与えるだけでなく、葉を枯れさせたり、木の勢いを弱くしたりしてしまいます。
また、虫害の種類については、樹木の種類を問わず発生しやすいのはアブラムシ、アメリカシロヒトリ、カイガラムシ、カメムシ、カミキリムシ、キリクイムシなどです。
芽、葉、茎、実から汁を吸ったり、葉や木の内側を食い荒らしたりするため、生育不良や病気を引き起こします。
虫害の対策も、まずは剪定をしっかり行い、風通しをよくするのが基本です。枝葉がこもってしまうと病害虫のリスクも高くなります。
以上です。
遮蔽性などの実用性だけでなく、庭に四季の風景をもたらしてくれるのが庭木です。
庭いじりも楽しめ、自然とのふれあいが自ずと増えます。
それは取りも直さず、生活を豊かにすることに他なりません。
皆さんもぜひ庭木を植えてみてはいかがでしょうか。