和歌山県-高野山
4年前の2015年、お世話になっている社長様からのお誘いで、日本仏教のスーパースター・空海をテーマにした一大イベント
「空海劇場」
に参加させて頂きました。
大禅ビル(福岡市 赤坂 貸事務所)から飛び出し、向かうは高野山。
真言密教の聖地です。
そこでの感動の体験はまた次回のコラムに譲るとして、今回は高野山について紹介したいと思います。
まず、「高野山」という山はありません。
高野山とは八葉の峰(今来峰・宝珠峰・鉢伏山・弁天岳・姑射山・転軸山・楊柳山・摩尼山)と呼ばれる峰々に囲まれたエリア、または行政エリアを指します。
さらに言えば高野山真言宗総本山である金剛峯寺自体が「高野山」とも呼ばれています。
唐の留学後、福岡で止めおかれた空海が
「高野山を本拠にすべし」
とお告げを聞き、後に嵯峨天皇から下賜され、修禅の道場として開きました。
大小のお寺が100以上集う宗教都市です。
普段私たちが仏教を感じるのは、県外や海外の友人を仏閣にご案内する時かお葬式の時くらいしかないわけですが、
ここに来ると仏教が空気のように生活の隅々を流れているように感じました。
空気の匂いさえ違う。そんな感じ。
空海が残した影響の大きさを素人ながらに目の当たりにしました。
空海という人物は紛れもなく日本史上トップクラスの天才で、
真言宗の開祖にとどまらず、教育・医学・薬学・鉱業・土木・建築・天文学・地質学の知識から書や詩などの文芸に至るまで多才な才能を発揮しています。
遣唐使として入唐し、20年間留学する予定が、あまりに頭が切れ過ぎたためにわずか2年で収めるべき学問を収めてしまい帰国した猛者です。
唐の地で出逢った師・恵果和尚のおかげで感化や徳化を受けることができ、
行くときは何も分からずに空っぽの心で行ったけれど、帰るときには心は満ち満ちていてとても幸せだ。
そのような深い感謝と達成感を噛み締めた彼の気持ちは
「虚往実帰(むなしく往きて、満ちて帰る)」
という名言となって今に伝わっています。