カーリフトメンテナンス
昔の時代ならともかく、ビルとはコンクリートで区切っただけの空間ではありません。
換気システム、水道管、電気系統などなど、人がより安心で気持ちよく使えるように。
そして人がビル空間に求めるニーズに沿うように、様々な機能を持たせていく必要があります。
鉄筋コンクリートが骨だとすれば、これらは筋肉や血管と言ってもいいでしょう。
さて、大禅ビル(福岡市 舞鶴 賃貸オフィス)はオフィスビルなので、お仕事をする空間です。
車でご出勤される方も多いため、当ビルでは屋上駐車場を設けています。
そして車を屋上までに上げるのに
「カーリフト」
という機械を使います。
弊社のカーリフトは自走リフトというタイプです。
動作が非常に複雑で、取り扱いが難しい機械式リフトと違って、
1階から車を入れて、リフトが上がって、屋上に到着したらドアが開く
という単純明快な構造となっています。
が、それはあくまで操作する側からの見え方で、重い車をビルの中を貫いて屋上まで運び上げる大掛かりな機械ですから、シンプルであるはずがありません。
カーリフトはまず、車上に設置しているセンサーが車を関知してから自動に扉が開くようになっています。
このセンサーが故障してしまうとそもそも扉が開きません。
ですので、センサーの作動状況の確認が必要です。
続いて、扉が開くためにはカーリフト上に設置してある機械室にある大元の機械が
「扉よ開け!」
と扉に指示し動かして貰う必要があります。
もちろん、こちらも作動しなければ扉は開きません。
指示が来ても、扉が腐食していたり、開閉を担うチェーンの調子が悪かったりでもしたら事故に繋がる可能性があります。
そして車が扉の中に入りましたら開いた扉が閉められ、カーリフトで車ごと上に移動します。
ここで操作ボタンや電気系統の確認が必要です。
更に、リフトを引っ張り上げるワイヤーロープや、それに付随するミニチュアリレーなどの正常な作動も不可欠です。
もちろん、カーリフトの中には電灯が必要ですし、万が一途中で止まってしまった際に連絡やり取りのためのインターフォンの動作確認も必要になってきます。
そして非常出口や非常の際に操作が必要となるセーフモードに問題ないかの確認も必要です。
それから屋上の開閉ボタンの操作をやや遠隔からでも可能にする
装置の動作確認、機械室モーターの動作確認、機械室自体の状態などなど・・・。
チェックポイントがたくさんあります。
そしてこれらのメンテナンスは作業原則として月に一回実施しています。
一言カーリフトと言っても、想像以上に手間はかかりますが、命に関わることですので、細かな確認と点検は欠かせません。
全ては万が一の事態を未然に防ぎ、テナント様の通常業務を陰ながらお支えするためです。
単純なようで奥が深い、大禅ビルのカーリフトのお話でした。