エフロレッセンスの対応
皆さんは建物の外壁やタイルの隙間から、白い染みや筋がこびりついている光景を目にしたことはありますか?
これは「エフロレッセンス(efflorescence);白華」と呼ばれる現象です。
コンクリートやモルタルなどの建材に含まれているアルカリ・カルシウムが染み込んだ水に溶け込み、内部を通って表面に表れ、外気で乾燥した汚れの一種です。
一般的には気温が低く、雨や雪などで湿度の高い冬や梅雨の時によく発生します。
かなり美観を損ねる現象なのですが、残念ながら完全に防ぐ方法は無いと言われています。
ただより重要なのは、このエフロレッセンスは建材の劣化を知らせてくれるサインでもあるのです。
なぜならこれは建材が水気に晒されている証拠。
水漏れの可能性があるかもしれないのです!
発生場所によっては必ずしも早急な対応が必要ない場合もありますが、特に天井で発生した場合は気を付けねばなりません。
天井にエフロレッセンスが発生した場合は、まずどこから水漏れが発生しているのか?
原因の大元を調べ、確定します。
とはいえ、水漏れにおいて場所の明確な特定ができない時も多々あります。
その際は、考えられる範囲全ての箇所で水漏れ対策を講じて対策するようにしています。
水漏れ対策を終えた後は、いよいよエフロレッセンス自体の補修です。
まずはエフロした箇所を徹底的にハンマーなどで叩き落とし、鉄骨の状況を確認し錆止め処置を施します。
それらが完了した後は新たにコンクリートを塗り、仕上げます。
大禅ビルは古さを個性に「レトロオフィスビル」を打ち出していますが、
こうした「古さゆえの損耗」を丁寧に処理して初めて、古さがマイナスの「老朽」として表れるのではなく、プラスの「ブランド」に転換できるのです。