造作物の記録
大禅ビル(福岡市 舞鶴 賃貸オフィス)はレンタルオフィスです。
一つのオフィス空間を、テナント様が入れ代わり立ち代わりシェアして使っていきます。
1-2年という短期で使われる方もいらっしゃれば、数十年間ご入居されている方もいらっしゃいます。
テナント様が退去された空間を、また別のテナントが新しく使われるので、立つ鳥跡を濁さずと言いますか、
去る方も来られる方も気持ちよくお使い頂けるよう、空間の原状回復がとても大事になってきます。
新しいテナント様を迎えるために、オフィス空間を借りられた当初の元通りの状態に戻す作業を原状回復と言います。
掃除や壁紙、床の張替え、電気工事など、様々な作業が発生しますが、その中で「造作物」の扱い方がミソです。
造作物とは、オフィス空間に最初から設置されているものではなく、テナント様ご自身が取り付けられた物です。
棚や照明といった家具、設備などですね。
この造作物というのは非常にデリケートな要素を含んでいます。
というのも、造作物の付加を無制限に許可してしまうと原状回復の際に想像を絶する金額が掛かってしまいかねません。
ですので、もし取付けられる場合は、退去時の原状回復コストをご負担頂く旨を確認させて頂いています。
ただ、人の記憶とはいい加減なもので、数年か数十年後、いざ退去となる際に
「いや、これは最初から設置していたものだからそのままにしておく!」
「造作した際は退去の際にそのままにして良いと言っていた!」
という、言った言わないの不毛な揉め事が発生し、解決が難しくなってしまいます。
ですから後々のトラブル回避のためにも、入居の際にしっかりと文書で残す必要があります。
具体的には造作を付加される際に、対象物の写真撮影をしてその旨の覚書を作成するようにしています。
そして、その覚書を対テナント様の契約綴りと一緒に保管しておきます。
そうすると、退去の際にこの覚書を元に
「この造作に関しては当初ご確認させて頂いた通り、お客様ご負担で復旧のほどをお願い致します」
とお伝えすることができ、テナント様もご納得頂けるわけです。
退去される理由は様々ですが、テナント様とはお互いに最後まで気持ちよくお付き合いさせて頂きたいと存じます。
そのためのリスクの先読み&対処がとても大事なのです。